IPOを目指す経理部・経営企画部が知っておきたいポイント・勘所まとめ

会計実務

みなさんこんにちは!今回は、ベンチャーがIPOを目指す上でクリアしなければいけないポイント・勘所について、簡単に解説していきます。以下のような方に読んでいただきたいです。

・これからIPOを目指す企業の経理部・経営企画部に勤めており、作っていかなければいけない体制のポイントがわからない方、証券会社や監査法人対応のポイントを知りたい方
・IPO前のベンチャー、IPO直後の企業に興味があり、転職活動をする上でどのような目線を持つべきか悩んでいる方キャリアに付加価値をつけたい方「上場確度が高いベンチャー」を探したい方

IPOに詳しい経理は少なく、キャリアしても武器になる領域です。お勧めは、上場会社等であるべき姿を学ぶ→IPO前後の企業でその知識を生かし会社の土台作りに参画する、という順番だと分かりやすいでしょうか。

是非この記事で確認してみてください!

IPOの目的・意義を理解する

IPOとはInitial Public Offeringの略で、新規株式公開などと訳されます。株式が市場に流通し、企業が社会の公器となる前提として、経営の透明化・ガバナンスの整備が必要となり、そのために体制つくりが審査のポイントとなります。

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社会の公器となるため、経営者は様々なコミットメントを市場に行い、ガバナンスを作り込んでいきます。いわば、「社会的に企業のあるべき姿を追求する」ことが目標・目的となり、経理部・経営企画部の視点からも、非常にたくさんの示唆を学べる機会となっていきます。

重要なことは「なぜIPOをするのか?」という動機です。時間も手間もコストもかかる準備の中で、この観点がマネジメントによってしっかり定まっており、準備を切り盛りする部署まで浸透しているかがまずは大切です。

チェックポイントと勘所について

具体的なチェックポイントについては、日本公認会計士協会より以下のガイドブックが提示されています。

株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック「会計監査を受ける前に準備しておきたいポイント」公表のご案内 | 日本公認会計士協会
 このたび、日本公認会計士協会ではIPOを目指す企業が会計監査を受ける前に準備す...

以下では、特に重要と思われるスライドについて言及していきます。

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この中で、特に気にすべき点は以下になります。

計画的経営の実施:中期経営計画の精度、KPI積み上げで達成可能性の高い予算策定プロセスが構築できているか

内部管理体制の整備:内部統制を中心とした管理体制の整備が行われており、財務情報の信頼性・会計数値生成に問題がないか。また、会計の根拠証跡が整理されているか。コンプライアンス、労務諸問題への対応ができているか

ディスクロージャー体制の整備:適切な期間内に決算数値が締まっているか

具体的な会計・管理論点周りについては、以下をご覧ください。

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終わりに

最後に、IPOを目指す上で最も大切なことを箇条書きで並べたいと思います。

全てを完璧にできている企業は多くないと思います。その企業が置かれた環境・状況に応じて、「重要なポイントがきっちりクリアできているか」を見極め、粛々と対応することが肝要です。

その上で、証券会社や監査法人対応で最も大事なのは、「この人なら大丈夫だ」「この会社なら信用できる」という心証形成です。プロフェッショナルも人、ビジネスが信頼関係なので、外部からの指摘に反発するのではなく、「真剣に捉えてこういう風に考えている」ということをロジカルに説明する、安心感を与えることで、向こうも味方になってくれます。

IPOに向けた戦略・施策は経営者の意向に左右される場面が非常に多いです。IPO準備を経営者が軽視しないよう、序盤から経営者をしっかり巻き込み、「IPOに向けたストーリー」を経理部・経営企画部が二人三脚で作り込んでいくプロセスが大事です。

上記のポイントは考えてみると当たり前のお話ですが、意外とできていない準備会社は非常に多い印象です。が、考え方・対応を変えれば一気に準備がしやすくなるケースもあります。是非、様々な場面で参考にしてみてください。

読んでいただき、ありがとうございました!

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