出前館はなぜ、UberEatsを 買おうとしたのか?

思考/分析力

最近話題のフードデリバリービジネス。
その中でも出前館がUber Eatsを買収?!の記事が出ましたね(事実無根のようですが・・)。

ですが、このような報道が出る背景がこのビジネスモデル及び事業の状況から考えられるため、会計視点を交えて分析してみました。

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収益構造は簡素化して考える

出前館のビジネスは
「単価」×「数量」に分解できる。
「単価」は差別化が難しいため、いかに「数量」→出前の機会(ユーザー数×登録店舗数×リピート率)を増やせるかがポイントである

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ポジショニングから強み、弱みを考える

出前館の強さは、先発優位性もあり、登録店舗を多く抱えている点にある。
ただし、後発組も店舗数の拡大を図っているため、この強みは次第に弱くなる見込み。
そのため、鍵となるのは、「ユーザー数」を増やせるかであり、1回利用したユーザーは同じサービスを継続使用することが予想されるため、スピード感が重要である。

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財務の動きを仮説する

収益構造、ポジションから財務構造は予想可能である。
また、戦略面でも取るべき戦略「ユーザー数拡大」のために出前館がどのような戦略をとっているかがわかる。

当社は、広告費の出稿(販管費の増加)により、ユーザー数の拡大を図っていることがわかる。
但し、キャッシュが潤沢な状況ではないため、広告の持続可能性は長くないため、別の手段の検討も必要と考える。

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IR資料で将来戦略を俯瞰する

IR資料では、広告の他にLINEと提携することにより、ユーザー数の拡大を図ることがわかる。
IR資料をプロットすると以下のとおり。
戦略に落とし込むと如何に、ユーザー数の増加が戦略上鍵となるかが明確である。

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まとめ

以上の分析により、出前館の置かれている状況からは「ユーザー数の増加」が至上命題ということが明確である。
この点、広告宣伝費の増加やアライアンス(LINE等との提携)によりユーザー数を増加させることが、手段として考えられるが、参入障壁の低い業界であるがため、同規模の競合が存在する場合には、消耗戦になることが予想される。
一方で上述の通り、1度使ったユーザーは同様のサービスを継続利用する傾向にあるため、競合会社を使っている場合のスイッチングの機会は低いと考えられる。

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